動脈硬化

 

動脈硬化とは

動脈硬化とはその名の通り動脈が硬くなることです。動脈に脂肪が付着して太くなり、また高血圧や加齢で硬くなることが原因です。動脈が硬くなると弾力を失い、結果として動脈が詰まったり、破れやすくなったりします。動脈硬化はひどくなると石灰化といって石灰が血管についてしまうこともあります。人は誰しも年をとると動脈硬化が起こります。そのためここでいう病気の動脈硬化とは年齢の割に動脈硬化が進んでいる、いわゆる血管年齢が普通の人より高い場合が問題となります。

動脈硬化は何がいけないの?

動脈は全身に血液を送っています。そのため全身のどこにも動脈はあり、どこにでも動脈硬化はおこる可能性があります。心臓の動脈なら狭心症や心筋梗塞、脳の動脈が詰まれば脳梗塞、眼の動脈が詰まれば失明、足の血管が詰まれば足の血の流れが悪くなります。特に脳梗塞、心筋梗塞の人はほとんどで動脈硬化が原因となっています。また症状は特に狭くなる、詰まるまではないのが特徴です。

どういう人が動脈硬化になりやすいの?

それ以外に動脈硬化になりやすいのはコレステロールが高い方、高血圧の人、糖尿病の人、タバコを吸う人、不摂生な食事の人、体重が多い人、両親が若い時から動脈硬化を持っている人などといわれています。複数当てはまる時には注意が必要です。

どんな症状があるの?

動脈硬化は通常徐々に悪くなり、自分でわかる症状がないのが一般的です。しかしそのまま動脈硬化に気がつかずに進行していくと動脈が詰まってしまいます。心臓が詰まれば心筋梗塞として胸の痛みや冷や汗を認めます。また脳梗塞になれば喋り方がおかしくなり、手足が片方だけ動かしにくくなります。足の血管が詰まれば、歩いていると足が痛くなってきます。このように動脈硬化によって危険な病気になる前に定期的に検査を受けるようにしましょう。

どのような検査をするの?

まず動脈硬化をきたしやすいリスクをチェックします。つまり高コレステロール、高血圧、糖尿病がないか、採血などの検査を行います。その結果動脈硬化になる可能性が高いと判断した場合には当院では動脈硬化度を測定する検査(CAVI キャビ)を行います。横になって両手両足の血圧を順番に測定し、5分ほどで終わる簡単な検査です。硬さを数値で表し、数値が高いと脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすくなります。その他ABIという足の血圧を測定して動脈硬化を判断します。

動脈硬化による合併症を防ぐためには

動脈硬化を進行させないためにはまず、医師から処方された血圧やコレステロールの薬をしっかり飲むようにしましょう。また体重が普通より多い場合には減量しましょう。食事については野菜が豊富で低脂質のものを取るようにします。運動は毎日30分することが望ましいです。タバコを吸う場合には禁煙しましょう。より詳しく知りたい方は、高血圧や脂質異常症、糖尿病の食生活改善点(日常生活でできることコレステロールを下げるためには糖尿病予防・進行を防ぐための食事・運動とは)をご覧ください。

動脈硬化は症状がないため脳梗塞や心筋梗塞になって初めて指摘されることがよくあります。ご自分の体はご自分で管理しなければいけません。荻窪にお住いの方は中島医院で定期的に検査を受け、ご自身の今の状態はどうなのか、これからよくするためにどうするのか、など相談されてみてはいかがでしょうか。

参考資料

血管機能の非侵襲的評価法に関するガイドライン 日本循環器学会
Arteriosclerosis/atherosclerosis Mayo Clinic.