消化性潰瘍

消化性潰瘍とは食べ物を消化する胃液や腸液が胃や腸自身を傷つけてしまう病気です。主に胃潰瘍や十二指腸潰瘍（十二指腸とは腸の最初の部分です）があります。潰瘍とは粘膜より下のところまでなくなってしまい、その下の組織まで傷が及んでいる状態です。深さは人によってまちまちですが、進行すると出血したり、穴が開いたりして重症になることもあります。

どんな症状になるの？

• みぞおちのあたりの痛みが出ます。胃潰瘍の場合には食後、十二指腸潰瘍の場合には空腹時に痛みを感じることが多いです
• 胸やけ　食後や寝る前に横になった時に胸やけを感じることがあります
• 少量の食事をとっただけでお腹が膨れたり、満腹に感じます
• お腹が空かないことがあります
• 吐き気や嘔吐が出ます
• 血便が出たり血をはいたりします。この症状が出た時には緊急性が高い可能性がありますのですぐに救急病院に受診するようにしましょう

ただ消化性潰瘍があっても症状が出ないこともあります。定期的な検査は受けるようにしましょう。

なぜ消化性潰瘍になるの？

主にピロリ菌という菌が感染して起こります（ピロリ菌の詳細はこちら）。その他に薬で起こることもあります。有名な薬としてはNSAIDS（イブ、ロキソニン、アスピリンなど）があります。また、ストレスや飲酒でも消化性潰瘍ができることがあります。

消化性潰瘍の検査はどうやってやるの？

お腹の中に潰瘍があるかどうかを確認するには胃カメラをする必要があります（胃カメラの詳細はこちら）。当院では眠る薬をつかって胃カメラをするので胃カメラで苦しい思いをしたことがある人にもおすすめです。

消化性潰瘍はどうやって治療するの？

ほとんどの消化性潰瘍は飲み薬で治療します。使う薬としては胃粘膜保護薬や胃酸を抑制する薬を使います。

治療後にはもう受診しなくて良いの？

治療した後にはピロリ菌を除去、もしくはしっかりと除去されていることを確認する必要があります。そのための検査を行います。また、胃潰瘍の程度によっては胃カメラを再度行なって傷が治っているか確認します。

胃潰瘍を治すために何かできることはあるの？

胃潰瘍は薬で治療することが大事ですが、ご自身でできることもあります。それは禁煙とNSAIDSの内服中止です。胃潰瘍になった時にはNSAIDSをもらっている医師に薬の変更をするように相談するようにしましょう。

 

胃潰瘍はしっかりと治療する必要のある病気です。何か心配な点やご不安があればお気軽に中島医院にご相談ください。

参考資料

日本消化器病学会ガイドライン　消化性潰瘍　診療ガイドライン2015

Up To Date Patient Education: Peptic ulcers（The Basics）