小学校入学前の予防接種はお済みでしょうか?

小学校入学前のお子さんをお持ちのご両親は入学に向けて準備はお済みでしょうか。

これからはランドセルを背負って新しい学校に通学する事になり親として感慨深いものがありますね。

さて入学前の準備には予防接種もあります。入学前に必要な予防接種は3種混合ワクチン、ポリオ、おたふく、麻しん風しんワクチンです。おたふくと麻しん風しんの予防接種はされている方が多いと思いますが、3種混合ワクチン、ポリオの追加接種はお済みでしょうか?杉並区のホームページではまだ3種混合ワクチンやポリオの追加接種について記載がありませんが、日本小児科学会は追加接種を推奨しています。荻窪にお住いの方でまだの場合は早めに予防接種を打ちましょう。以下がそれぞれのワクチン接種が必要な理由です。

3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)

3種類のワクチンのうち百日咳が特に重要です。百日咳は咳が百日続き、息ができないくらい苦しくなる病気です。近年小中学生での感染が増えています。1歳までに予防接種を4回しばらくはしっかりと抗体があるのですが、入学前には抗体保持率が30%以下まで低下します。そのため入学後にかかってしまうお子さんがいらっしゃいます。海外では4歳以降に追加予防接種の機会があるのですが、日本では2歳以降に百日咳の予防接種の機会がありません(日本の定期予防接種は海外より遅れています)。そのため任意予防接種となりますが是非ワクチンを受けるようにしましょう。

ポリオワクチン

ポリオは感染すると脊髄の手足が動かなくなる麻痺が起こる病気です。治療できる手段はなく、一度かかると後遺症を残します。幸い日本でポリオの患者さんは近年いません。しかし海外の多くの地域でまだポリオの患者さんは発生しており、ポリオ流行地域の方の日本の入国者数は年間6万人ほどです。今後も外国人労働者雇用の法律改正や東京オリンピックで入国される方は益々増え、日本にも再度流行することが予想されます。世界では入学時に追加のポリオワクチンの定期接種をしていますが、日本では定期予防接種に組み込まれておりません。かかってからでは遅い病気ですのでこれを機会に接種を検討されてください。

おたふくワクチン

おたふくに感染すると両頬の腫れや熱が出ます。しかしそれだけではなく時に合併症として脳炎や難聴、膵炎などを起こすことがあります。予防接種を受けておくとこれらの重症な合併症も起こりにくくなります。1回目の予防接種を杉並区で受けていない場合には小学校に入るまでの1年の予防接種の補助を受けられます。

しん(はしか)風しんワクチン

はしかと風しんは2018年流行のようにいつどこからウィルスに感染するかわからず、かかると合併症で脳炎や肺炎、死亡された方の報告もあります。1歳の時に1度予防接種を受けていますが2回接種しなければ免疫が十分ではありません。定期予防接種スケジュールは小学校に入るまでの1年です。

当院での予防接種のお値段は以下になります。

3種混合ワクチン

3200円

ポリオワクチン

8000円

おたふくワクチン

5000円

麻しん風しんワクチン

定期予防接種

大事なお子さんの将来のために注射を打つ事で防げる病気です。荻窪にお住いの方はぜひ予防接種を検討してください。

参考資料

日本小児科学会推奨のワクチンスケジュール