風しんは継続的に発生しています!

以前より風しん(風疹)のニュースが少なくなってきていると思いませんか。

ひょっとしたらニュースにならないくらい下火になっているのかと思うとそうではありません。

東京都での風疹の発生はまだまだ患者さんは発生しています。

現在の風疹の発生状況は

東京都感染症情報センターによると1月1日から2月10日までの時点で風疹の患者さんは132名発生しています。

荻窪にお住いの方で風疹の抗体検査を受けたことがない方は早めに検査を受けるようにしましょう。

昨年から流行している風疹にかかった方の内訳では93%は予防接種を受けたことがない、

もしくは予防接種を受けたかわからない方であったと報告されています。

特にしっかりと予防接種を受けているお子さんよりも成人の方に多く(感染者の実に96%が成人です)、

男性が女性よりも2.8倍多いと報告されています。

感染した場所としては職場、家族、旅行、友人、通勤などが挙げられ接触を避けられる場所ではありません。

特に配慮が必要な方として保育士、消防士、医療関係者が大事ですが、最も感染者数が多かったのは会社員の方でした。

このことから普段仕事をしている男性はしっかりと予防接種もしくは風疹抗体検査を受けるようにしましょう。

風疹の症状とは

風疹の診断は実は簡単ではありません。風疹の特徴とは発熱、発疹、首の後ろを中心としたリンパ節の腫れが

3つの大きな特徴といわれています。また、発疹と発熱が同時に出るのが特徴だとよく医学書には記載されています。

しかし2018年の風疹の発生状況を見ると発熱、発疹、リンパ節の腫れの3つが揃ったのは全体の54%に過ぎません。

1つ1つの症状としては発疹が出た方が99%、発熱が90%、リンパ節の腫れが60%と報告されています。

そのほかの症状としては目の充血(41%)、関節の痛み(25%)、咳(22%)、鼻汁(17%)と報告されています。

また発熱と発疹が同日に出現している割合は全体の43%に過ぎず、発疹より発熱が先に出現した人の方が多い(46%)結果

となっていたのです。熱が出たと思っていたら遅れて発疹が出現してきた場合にも風疹の可能性があり注意が必要です。

このように典型的な風疹の症状が出ない方がたくさんいらっしゃるため風疹の診断は難しく、実際に報告されている人数より多くの患者さんが風疹にかかっている可能性があります。

風疹の怖さとは

では風疹にかかると何が困るのでしょうか。小さい頃にかかったけど大丈夫だったよ、という方も多くいらっしゃると思います。お子さんの時にかかる風疹は合併症が比較的起こりにくいのですが10代以降で感染すると風疹は合併症が起こりやすくなるといわれています。具体的には脳に炎症が起きたり、気管支炎や肺炎、出血しやすくなる病気(血小板減少性紫斑病)などがあります。これらの合併症は今回の流行ですでに起きている人もいます。また、最も重要なのは妊婦さん(特に妊娠12週まで)が感染すると90%の確率で奇形のお子さんが生まれてしまうと報告されています。具体的には心臓病、難聴、白内障、発達の遅れなどがあります。妊娠してしまうと予防接種は受けられなくなってしまいますので、あらかじめ予防接種を受けておく必要があります。

感染を防ぐ手立ては予防接種のみ

風疹は感染してしまうと治療法はなく、自分の免疫力で感染を抑えるのを待つしかありません。したがって予防接種で予防しておくことが重要です。感染を防ぐ薬があるとは100年前には信じられないことでした。今の時代に予防接種があることはとてもありがたいことです。荻窪にお住いの方でまだ予防接種を2回受けていない方は予防接種を受けるようにしましょう。